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インタビューseibin


Behind story of ALiCE


DJMAX RESPECTの新曲「ALiCE」のコンポーザー seibin!

TECHNIKA 3 の「Black Swan」にギタリストとして参加していた彼が、描き下ろし新曲でまた参加してくれました。

ミュージシャンとしてのseibinさんに触れ、曲が生まれた話を聞いて、多方面から彼の音楽を体験することが出来ればと思います。


ALiCE - seibin (Making M/V)

MUCA

TECHNIKA 3 DLCの新曲でseibinさんにまたお会いできてとても光栄です。MUCAでの初めての公式インタビューとなりますが、まず始めに自己紹介をお願いします。

seibin

DJMAX ファンの皆さん、こんにちは。ゲーム音楽コンポーザーのseibinです。

DJMAXは私にとって人生を変えたゲームと言えるぐらい、素晴らしい経験を与えてくれたゲームの1つです。この度はRESPECTに描き下ろし新曲で再度参加できて、とても嬉しく光栄に思っています。

MUCA

「ゲーム音楽コンポーザー」と紹介したところが印象的ですが、ゲーム音楽に特別な思い入れがあるのではと思われます。ずっとゲーム音楽を作りたいという覚悟が感じられますが。(笑)

seibin

音楽を作り始めた頃、最初に手を出していたのがレトロゲームのMIDIファイルでした。子どもの頃を思い出す音色が好きで、ゲーム内で演出される音楽が魅力的に思えました。

そういう意味で、今はゲーム音楽を作ることが好きで、私にとって意味があることだと思っているので、自分のことを「ゲーム音楽コンポーザー」だと紹介させていただきました。

ずっとこの分野で活動するのもいいと思いますが、個人的にはもっと活動を広げて田中公平さんのように映像物とゲーム両方で活躍する作曲家になりたいですね。(笑)

MUCA

「ALiCE」が誕生するまでの ストーリーをお聞かせください。

seibin

DJMAXにはとても多くの曲が収録されているので、色々悩みました。今回のタイトル名が「RESPECT」だったので、そういう意味を込めるにはどういった曲の構成がいいかについて、制作しながらずっと考えていましたが、昔ESTiさんの「Ladymade Star」BGAの企画力というか構成が、強く印象に残っていたので、これをRESPECTしてみるのはどうかな?というアイデアから曲を構想し始めました。

そういう経緯があったのでジャンルは自然に「Ani Pop」になりました。そして作曲を始めた頃を思い出すという意味で中二病感が溢れるディストピア系魔法少女の話になってしまいました。


それから曲だけじゃなくてイラストと映像を構成することにまで欲が出て、担当者を自分で探して交渉することになりました。映像を担当したPaXimさんは、同じ会社でいつも最高のコンテンツを制作してくださっている方で、絵を担当したCloverさんは以前から個性的で可愛いキャラクターを世に出していて、個人的にも好きなイラストレーターさんです。二人とも「ALiCE」にとても多くの愛情を注いでくれて、共に苦労して作り上げました。この場を借りて改めてお礼を申し上げたいですね。

MUCA

初めてBGAを観た時、「Ladymade Star」へのオマージュを感じて懐かしい気持ちになりました。曲の制作中、一番気を付けたところはどこでしょうか?

seibin

サウンド的な側面で意図していたところだったのですが、伝わっているようで嬉しいです。

曲を制作していた時、コンセプトやストーリーも色々悩みましたが、一番気を付けたところは編曲でした。私は個人的にDJMAXでは、適度な密度でノートを処理する時と、エレクトリックギターのキー音を演奏する時に、楽しいと感じるんですが、同じような経験を伝えるために、楽器の構成は結構悩みました。譜面までは私の方で考慮できませんが、いつも譜面制作で頭を抱えていらっしゃるパターンデザイナーの皆さん、尊敬しています!

MUCA

「ALiCE」に登場する2人のキャラクターについて、ご紹介ください。

seibin

韓国ではもうあだ名ができていて「クレアもどき」、「フェイルもどき」と呼ばれているらしいですが。 (笑) 金髪の子は「メリー(MARY)」、黒髪の子は「ローズ(ROSE)」という名前です。二人は双子の姉妹です。と、名前はあるんですが自分のネーミングセンスはよくないと思うので、好きなように呼んで下さって構わないです。(笑)

それからBGAを細部まで観られた方はもうお気づきだとおもいますが、2人がいた世界は実は死後の世界だったという設定です。話の流れを解釈してみるという楽しさもあるので、是非BGAのほうも観て、楽しんでいただければと思います。

MUCA

曲の歌詞とBGAの内容から、続きがとても気になりますが、もしこの曲の続編を作ることになりましたら、どのような内容にしたいと思いますか?

seibin

構想していたものがありますが、今は自分の心の中に収めておきます。続きの話ができる機会があるといいですね。

個人的に、ハッピーエンドが好きです、とだけ言っておきます。

MUCA

ボーカルを担当したジャン・イェナさん、ジャン・ミさんの歌声が曲の没入感を高めていると思いますが、収録時に記憶に残るエピソードなどはありますか?

seibin

オーディオ編集が楽になるので、普段は団体のパートも1人ずつブースに入って収録を行います。メイキング映像の撮影のために、お二人の許可を得てちょっとだけ一緒に歌うようにお願いしたことがあります。マイクは消していなかったのですが、まるでカラオケで友だちと盛り上がって熱唱してしまう、そういう雰囲気が出てきまして、1人ずつ歌った時より良い歌が出ました…(笑)結局雑音が入っているにも関わらず、最後に歌った数テイクが完成版に使われました。収録の効率より、現場の雰囲気も大事だということを学びました。

MUCA

いつ頃から作曲をしていますか?またそのきっかけは何でしたか?

seibin

音楽をパソコンで作り始めたのは中学時代です。小学生の時からパソコンで色んなものを作ることが好きでしたが、中二病を患っていた頃、音楽ゲームに出会い、音楽を制作し始めました。

MUCA

seibinさんにもっともインスピレーションを与えてきたミュージシャンは誰ですか?

seibin

セガの瀬上純さんという作曲家兼ギタリストがいますが、ソニックシリーズの曲を作った方です。尊敬する作曲家はたくさんいますが、一番強いインスピレーションを与えた作曲家さんだと思います。この方の参加タイトルに収録された曲は、どの曲も自分好みの曲だったので、すごくハマってプレイしていた記憶があります。

MUCA

ミュージシャンの方は愛用の楽器があると思いますが、演奏時に使用するエレキギターについてご紹介いただけますでしょうか?

seibin

「ALiCE」は、10年ほど前にESTiさんが買ったギブソンのレスポールスタンダードを借りて収録しました。(「けいおん!」の唯が持っているあのモデルです!)

ESTiさんの名曲にもこのギターが使われたと聞いて、同じようにRESPECTの意味を込めて、使わせていただきました。収録を進めながら、弦を張り替えて、新しくセッティングをして、演奏しているうちに、まるで自分のギターのように情が移ってしまいましたね。

MUCA

これからどのような活動をされていく予定ですか?

seibin

ESTiさんは最新K-POPのプロデュースで多忙だと思いますが、私もK-POPじゃありませんが、色んなところで様々な音楽を披露できればという願望があります。美しい絵を見ると曲を作りたくなる性分なので、今後も皆様の周りで私の名前を見かける機会があるといいですね。

MUCA

最後にファンの方々へ一言お願いします。

seibin

私も長い間DJMAXをプレイした1人のファンとして、「ALiCE」はDJMAXを一番熱く楽しんでいた10代の想い出や感性を振り返りながら制作しました。
この感性がファンの方々には伝わるかどうか分かりませんが、好きになっていただけたらとても嬉しいです。

クサいかもしれませんが、言わせてください。「And I also DJMAX LOVE」


■Twitter https://twitter.com/_seibin

 ■SoundCloud https://soundcloud.com/seibin


ALiCE - seibin (Full M/V)


- Editor HeeD-